司法書士の仕事①不動産登記
2021/09/20
司法書士の仕事とは
司法書士の仕事を数回に分けて、詳しくご説明いたします
周囲の方からよく、「司法書士ってどんな仕事してるの?」と聞かれます。
そこで、法令の根拠に基づく司法書士の主な業務について数回に分けてご説明いたします。
今回は不動産登記についてご理解いただけたらと思います。
§司法書士法第3条第1項
司法書士は、この法律の定めるところにより、他人の依頼を受けて、次に掲げる事務を行うことを業とする
第1号 登記又は供託に関する手続について代理すること
§司法書士法第73条
司法書士会に入会している司法書士又は司法書士法人でない者は、第3条1項1号から第5号までに規定する業務を行ってはならない。ただし、他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。
不動産登記申請につき委任を受けて申請することです。
不動産については権利の登記といい、売買や贈与などにより取得した場合には所有権という権利を取得した旨、住宅購入資金の融資を受けたときは金融機関が抵当権という権利を取得(対象不動産に設定)した旨、その後完済したときは抵当権が消滅した旨の登記を申請する手続であり、つまり権利という目に見えないものを登記簿に載せ視覚化する手続です。もって不動産の買主も貸付をした金融機関も自分にそれらの権利があることを第三者に対し主張できるようになります。そして登記手続きが完了した際に、登記識別情報通知(権利証)いう書面の交付を受けます。そして、その書面を持っているということが登記簿に載っている本人(登記名義人)であるとの証明資料になるため、不動産を売却する際にスムーズに取引が進みます。大切に保管なさってください。
上記から、目に見えない権利を見える化する作業を司法書士は担っているといえます。例えば不動産の売買の場合では、次の作業が非常に重要となります。
1.売主が登記簿に載っている者と同一人物であることの確認。
売主の本人確認書類(免許証等)や権利証、印鑑証明書、委任状への署名・押印などの記載内容から登記名義人本人であることの確認をし、更にその書面自体が偽造・変造されたものでなく真正なものであることの確認も怠りません。
2.売買当事者の意思確認。
売主及び買主から売買をする意思及び私に登記申請の委任をする意思の確認を行います。その前提として当事者に契約をする能力を有していることが必要なので、高齢者や障害をお持ちの方の場合は、特に慎重に面談をし判断能力の有無を確認します。
不動産売買の決済当日の担当司法書士は、以上の責任の下で立会に臨んでいることをご理解ください。
最後に、司法書士は業務として目に見えない権利の登記申請とお話いたしましたが、目に見えるもの、例えば不動産の所在する場所、土地・建物の面積や用途(宅地なのか畑なのか、居住用なのか店舗なのか)、建物の構造(木造なのか鉄筋なのか)、新築・解体したなど不動産のプロフィール的なものにつきましては土地家屋調査士の業務となるため基本的には司法書士には権限がありません。